事業内容
- DX推進/IoT開発事業
- AI/ROBOTICS開発事業
DXの推進に向けたIoTシステムの導入など、IoTデバイスが必要となる機会が増え続けています。IoTシステムを構築する際に、どのようなIoTデバイスを選定すればいいか検討している方もいるでしょう。
そこで今回は、「IoTデバイスとは、どのようなものなのか」について解説します。IoTデバイスの概要や選び方が分からず悩んでいる方は、参考にしていただけたらと思います。
IoTデバイスとは、クラウドやネットワークと共にIoTシステムを構成する要素の一つで、ネットワークに接続して使用する端末を指します。私たちの生活に身近な所では、スマートフォンやパソコン、スマート家電などもIoTデバイスの一つです。
近年、IoTデバイスは、デバイス本体の小型化や高性能化に関わる技術の発展、またデバイス本体の低コスト化に加え通信コストも低減されていることから、さまざまな業界で急速に普及しています。
総務省が発行した情報通信白書(令和3年版)によると、近年IoTデバイスの利用が急速に広がっており、2023年には世界中で340億台ものIoTデバイスが活用される見込みです。
使用されているIoTデバイスの業界を確認すると、2020年時点でもっとも多いIoTデバイスはスマートフォンやパソコンなどの通信機器でした。これらはすでに飽和状態であることが想定されるため、近い将来には、医療、産業用途、自動車、宇宙航空といった分野で、高い成長が見込まれています。
IoTデバイスは、センシングデバイスや送受信デバイス、エッジ処理を行うデバイスに分類され、それぞれ以下のような役割を持ちます。
IoTシステムを構築する際には、目的を実現するために必要な情報を、IoTデバイスを用いて取得する必要があります。取得したいデータの種類や精度に合わせたセンシングデバイス(センサ)を用いることで、情報の取得が可能です。
センサには、加速度センサやジャイロセンサに加え、イメージセンサや音センサなどさまざまなものがあります。詳しくは、以下の記事をご参照ください。
クラウドとIoTデバイスの間でさまざまな情報の送受信を行う機能が必要です。例えば、センサによって収集した情報を集約し、それをクラウドへ送信する機能やクラウドから送られてきた情報を受信する機能が必要となります。
これらの役割を担うIoTデバイスのことを、送受信デバイスといいます。送受信デバイスは、送受信機能のみを持つ専用のデバイスに加え、センサと一体化されている場合もあります。
多くのIoTシステムでは、センサで取得したデータをクラウドに集約し、クラウド上でデータを処理しています。一方で、送受信の負荷低減やネットワーク上のデータ量を減らすことによるセキュリティの確保を目的に、IoTデバイス側でデータの前処理を行う場合があります。
IoTデバイス側で取得したデータに対してIoTデバイスで処理を行うことを「エッジ処理」といい、それをできるIoTデバイスが採用される場合も多くなっています。
IoTデバイスには、さまざまな種類があります。構築したいIoTシステムに応じて適切なIoTデバイスを選定するために、以下のようなポイントに注目することが重要です。
ネットワークで接続されたIoTシステムにウイルスが入り込んでしまうと、ネットワークで接続されているすべての環境に影響を及ぼしてしまう可能性があります。具体的には、機能の停止やネットワーク上の情報流出が懸念されます。
IoTシステムの中でも、ウイルスが入り込む可能性が高いのはIoTデバイスです。そこで、セキュリティに配慮したIoTデバイスを選定する必要があります。また、実際にIoTデバイスを使用する際には、使用しない通信ポートを開放したままにしないなど、セキュリティ面に関する配慮が重要です。
IoTシステムの構成要素の中で、IoTデバイスに期待する機能を有しているかどうかは、必ず確認すべきポイントの一つです。IoTデバイスの機能性は、構築するIoTシステムの性能を左右する要素となります。
必要な機能はIoTデバイスの種類によって異なります。センシングデバイスであればセンサとしての検出精度や検出範囲、送受信デバイスであれば、通信可能な信号の数や送受信の時間間隔などが挙げられます。また、エッジ処理を行うデバイスの場合には、時間あたりの処理能力などが重要です。
IoTシステムにおいて、IoTデバイスとクラウドの間で情報をやり取りする際には、特定の通信プロトコルで通信を行います。その中でIoTデバイスは、デバイスの種類に応じて対応可能な通信プロトコルが決まっています。
IoTデバイスがやり取りする情報の種類や、IoTシステムとして必要とされる機能に合った通信プロトコルに対応しているかどうかは重要です。このことをIoTデバイスの接続性と言います。これは、IoTデバイスを選定するうえで重要なポイントの一つです。
IoTデバイスはさまざまな業界で採用されています。本項では、製造業においてIoTデバイスを活用する際の例を紹介します。
近年、IoTやAIなどの先進技術を活用したスマートファクトリーに注目が集まっており、それを実現するためにはIoTデバイスが必要不可欠となっています。
例えば、生産設備にセンサを設置することで、稼働状況に関する情報を収集しその情報をクラウドに集約することで、稼働状況監視の自動化が可能です。また、加工のための機材に流れる電流情報を取得することで、工具交換のタイミングを適正化する予知保全等も実現できます。
さらに、生産設備と搬送ロボットをIoTデバイスやネットワークで接続することで、生産した製品の搬送自動化を実現できます。このように、スマートファクトリーを実現するために、用途に合わせたさまざまなIoTデバイスが採用されています。
IoTシステムを構築する際には、ウイルスなどの影響を避けるためにセキュリティ性の高いシステムを構築する必要があります。
一般的なIoTシステムでは、センサで取得した情報をクラウドに集約し、クラウド上で処理します。もし、ウイルスに感染してしまうとクラウドに集約した大量のデータが流出してしまい、大きな影響を受ける可能性があります。
そこで、クラウドに情報を集約しないために、IoTデバイス側でデータ処理を行い、クラウドへ送信するデータを、処理後のデータに限定することで、セキュリティ性を高める取り組みが行われています。
また、エッジ処理を行うデバイスの採用には、セキュリティ性の向上に加えて送受信するデータ量を低減し、通信負荷を軽くするメリットがあります。
センサデバイスや送受信デバイスなど、さまざまな種類があるIoTデバイスは、幅広い業界で活用が進んでいます。IoTデバイスに関する小型化、低コスト化技術の開発に加えて、通信コストが低減することで、今後も広がっていくことが想定されています。
自社で構築するIoTシステムに必要なIoTデバイスを選定する際には、IoTデバイスにどのような種類があるのかに加えて、セキュリティ性、機能性、接続性などをポイントに選定することが重要です。また、自社に近いシステムを導入している企業の参考となる事例を確認しておくといいでしょう。