事業内容
- DX推進/IoT開発事業
- AI/ROBOTICS開発事業
経営環境の改善や新事業の構築を目指して、IoTの導入を進めている企業が多くなってきました。当記事をご覧の方のなかには、IoT導入に関する取り組み、コストに関する検討をしている方もいるでしょう。
そこで今回は、「IoTを導入する際に活用できる補助金」について解説します。IoT導入をする際に、どのような補助金を利用できる可能性があるのか知りたいという方は、参考にしていただけたらと思います。
さまざまな業界で少子高齢化などを要因とする人手不足が深刻化しており、働き方に対する改革や業務効率の向上が必要となっています。そこで、多くの企業がIoTの導入により状況の改善を目指しており、国や地方自治体はその導入を推進するために補助金を用意しています。
また、2020年以降は新型コロナウイルス感染症の影響により、企業にはテレワークの推進をするなど、人が集まらないような対策が求められています。この流れを加速するために、感染リスクが低い事業に対する補助金の導入など、新たな条件が加わっています。
IoT関連の補助金は、その種類によって適用可能な業種や会社の規模が異なります。さらに、費用補助対象となる経費分類についても、補助金の種類によって大きな違いがあります。自社が取り組む事業が補助金を利用できる対象であるかどうかは、十分な確認が必要です。
また、補助金は予算に限りがあり、毎年のように内容が更新されます。特にIoT導入やデジタル化に関しては、コロナ禍の影響などで急速に必要性が高まっているため、毎年のように補助金の条件や内容が変化しています。
前年度を参考に準備を進めても、スケジュールや対象範囲、補助金額などが変わっている可能性があるため、申請準備を始める前に、申請予定の補助金について要件の確認が必要です。
IoTを導入する際に企業が活用できる補助金には、国が運営しているものと地方自治体が運営しているものがあります。どのような補助金が用意されているのか、確認しましょう。
表1.2021年度に募集されたIoT導入に関する補助金 の例です。
※以下表は事例となります。以下記載の補助金は終了となっている場合がございます。
ここに掲載している補助金情報は、例として、2021年ものをあげています。
常に補助金の情報は変わるので、種類や名称は注意が必要です。
しかし、このような感じの補助金がある、という方向感を把握していただけたら幸いです。
補助金種類 | 運営元 | 対象企業 | 対象経費 | 補助割合 | 補助上限額 |
情報通信利活用事業費補助金 | 総務省 | 地方公共団体やそれを含む共同企業体の代表で、管理区内にサテライトオフィスが整備されていない組織 | サテライトオフィスの設置 | 1/2以内 | 2,000万円 |
IT導入補助金(通常枠) | 中小企業庁 | 業種ごとに定められた資本金、従業員の中小企業 | ソフトウェア、IT導入関連費 | 1/2以内 | 450万円 |
IT導入補助金(低リスクビジネス枠) | 中小企業庁 | 業種ごとに定められた資本金、従業員の中小企業 | ソフトウェア、IT導入関連費、ハードウェアレンタル費用 | 2/3以内 | 450万円 |
AI・IoT先進技術導入補助金 | 宮城県 | 宮城県内に主要拠点を持つ製造業 | AI・IoTを活用した生産現場の省人化や省力化、生産工場などに向けた技術開発 | 2/3 | 500万円 |
AI・IoT・ロボットシステム導入トライアル補助金 | 埼玉県 | 埼玉県内に主要拠点を持つ事業者 | AI・IoTシステム、ロボットシステムの導入 | 2/3 | 500万円 |
総務省では、令和3年度にテレワークを実施するためのサテライトオフィスの整備を支援することを目的に、情報通信利活用事業費補助金の公募を行っています。補助金の対象となる団体は地方公共団体やそれを含む共同企業体の代表で、管理区内にサテライトオフィスが整備されていない組織です。
令和2年度まではサテライトオフィスだけでなく、総務省が策定した地域IoT実装推進ロードマップに関連する事業、具体的にはスマート農業や漁業、地域ビジネス活性化モデル、AI活用、テレワークなどが対象になっていました。
補助金は上限額を2,000万円とし、事業費の50%が対象です。令和3年度の申請期限は既に過ぎてしまっていますが、テレワークの推進は今後も続いていくと考えられるので、令和4年度以降も同様の制度は継続すると考えられます。
中小企業庁は、中小企業や小規模企業がITツールを導入する際に活用できるIT導入補助金が公募されています。通常枠(A・B類型)と低感染リスクビジネス枠(C・D類型)に分かれており、補助金の申請額や補助対象などが異なります。
通常枠は飲食、運輸、医療、介護、保育などのサービス業に加えて、製造業や建設業も対象となっています。しかし、中小企業向けの補助金のため業種ごとに定められた資本金や従業員数を上回っている場合は支給対象外です。
具体的な補助対象は、ソフトウェア費やIT導入の関連費で、補助率は50%までです。補助額の上下限額は類型によって異なります。
一方で低感染リスクビジネス枠では、ポストコロナの状況に対応したビジネスモデルへの転換に向け、労働生産性の向上だけでなく感染リスクを低減するような取り組みに対して、補助率を引き上げ、優先的に支援しています。
補助対象はソフトウェアやIT導入関連費に加えて、ハードウェアレンタル費などが対象となります。また補助率は3分の2までと、通常枠よりも拡大されています。申し込みスケジュールは、2021年の場合3月から11月までに4回設定されているため、必要になったタイミングで速やかに申し込みをすることが可能です。
IoTの導入やデジタル化に関する補助金は国だけでなく、都道府県や市町村などの地方自治体でも設けています。令和3年度に募集されていた補助金をいくつか紹介します。
宮城県は中小製造事業者の生産性向上を目的として、AI・IoT先進技術導入補助金を用意しています。対象は宮城県内に本店や主たる事業所を置く製造業で、宮城県内に生産拠点を有している企業です。
AI・IoTを活用した生産現場の省人化や省力化、生産工場などに向けた技術開発を宮城県内に事業所を有するIT関連企業と連携して実施することが条件となっています。補助率は3分の2までで、上限は500万円です。
また埼玉県は、県内に主たる拠点を持つ事業者を対象に、生産性向上や作業効率化、サービス品質向上などを目的としてAI・IoT・ロボットシステム導入トライアル補助金を設定しています。
AI・IoTシステムを活用したり、それらで得た情報を元にロボットシステムを活用して効率化や品質向上を実現する事業が対象です。それぞれのシステムで補助金額は異なりますが、上限は500万円で、補助率は3分の2までです。
同様の制度が全国各地の都道府県・市町村から公開されています。一度自社の主要拠点がある地方自治体で募集がないかどうか、確認してみるといいでしょう。
IoTの導入は、少子高齢化やコロナ禍など不透明な状況において企業が生き残っていくために重要な選択肢の一つとなります。国や地方自治体は補助金などの支援策を用意して推進しているため、導入を検討している場合には積極的に活用しましょう。
補助金の有無や対象となる事業、補助金額などは毎年のように変化するため、導入を検討する段階で早めに確認する必要があります。不透明な場合には、前年度の窓口に確認をすることも有効です。
補助金の対象となる事業に取り組む場合には大きな助けとなりますので、積極的に活用しましょう。