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PoC(Proof of Concept)は、概念実証という意味であり、新たなアイデアが実現可能かどうかを検証することです。ただ、「どのように検証をすれば良いのか分からない」という方もいるでしょう。
この記事では、PoCにおける検証の重要性を解説し、具体的な検証項目や検証する際のポイントを、PoCの流れを踏まえて解説いたします。新製品のアイデアが出ていて、実際にPoCの調査段階であるという方は、参考にしていただければと思います。
なお、PoCの概要については以下の記事で詳しく解説しているので、「まずはPoCについて知りたい。」という方はこちらをご覧ください。
PoCとは、新しい理論や原理が実現可能であるかを検証する作業です。「こんなアイデアがあるが、そもそもできるのだろうか。」といった問いの答えを出すためにあります。
ASTINAの事例で言うと、「人の手で行っているケーブル挿入作業をロボットで自動化できないか」といったアイデアが挙がり、それができるのかどうかを検証しました。これがPoCにあたります。
この場合「ケーブルが乱雑に置かれている状況でも可能か?」「ケーブル線径やコネクタ種類が違うものがあるが可能か?」「前後工程に自動機があるが、装置を入れ込むのは可能か?」といった課題が考えられます。
PoCの検証で課題が洗い出されることによって、実現可能なのかが見えてくるため、成功確率が高いプロジェクトに絞って投資ができます。また、実現不可能なプロジェクトに誤って多額の投資をしてしまうことを防げます。
検証している内容の真の価値や、どこがうまくいっているのか、もしくはそうでないのかを検証することができるPoCですが、そこで重要となってくるのが、低コストでいかに早く問題点を見つけ反映できるかです。
言い換えれば、失敗した分だけ何度も条件を変更しながら検証を繰り返すことができるということです。ただし、失敗から得られる情報は非常に多いものですが、そこにコストがかかりすぎては意味がありません。
そのため、いかに低コストで問題点を見つけることができるかが重要となるのです。
PoCにおける検証フェーズの重要性がわかったところで、ここからは検証すべきポイントをより詳しく解説します。
どんなに素晴らしいアイデアだとしても、それが実現可能でなければ意味がありません。企業としても実現性のないものに投資するわけにはいかないでしょう。
例えば、先に述べたようなケーブルやコネクタの挿入作業においては、正しく認識できるのか、実際にロボットによって挿入できるのかなどが実現性の内容になります。
大きなプロジェクトになればなるほど想定外の問題が発生したりするため、実現性の検証は大切なポイントです。
実現性があったとしても費用対効果が伴っていなければ、こちらも同様に投資段階で見送られてしまうでしょう。
実際の環境になるべく寄せた形でPoCを行い、期待している効果が得られるかどうかを検証しましょう。
なお、費用対効果についてはPoCの前段階であってもある程度は机上でも計算が可能な項目です。他の項目の検証が無駄になることがないよう、事前にしっかりと目標に達成できるかを調べておくことは大変重要です。
技術的な実現性や費用対効果の担保の後に検討されるのが具体性です。具体性の検証は、システムを実際に使用する時に必要なことがどのようなものかを見極めるために実施されるのが一般的です。
例えば、先のケーブル・コネクタ挿入作業の自動化で言えば、乱雑に置かれた種類の異なるものを正しく認識し、実際に適切な場所に挿入できるかの検証を行うことがこれにあたります。
ここからはPoC全体の流れと、その中で検証がどのように行なわれているのか詳しく解説していきます。
まずはPoCのフローについてです。
PoCは試作・実装、検証の2ステップで進められるのが一般的です。
一つずつ見ていきましょう。
まずは導入を検討しているシステムの試作を行います。この際の注意点は、短期間で作り上げるために、なるべく必要最小限の内容だけで構築するということです。
もちろん、導入しようとしているシステムによって「必要最小限」がどの程度なのかは異なるため、それぞれに独自の定義をする必要があります。
試作ができたら、実環境で作動させます。この時、可能な限り現場に近い環境で実装することが大切です。
使用を想定している現場の環境に近ければ近いほど、より具体的なPoC結果を得ることができるため、その点を意識して実装することが大切です。
この記事で例に挙げたケーブル挿入で言えば、使用を想定している実際のライン上に実装することが理想ですが、それが難しい場合には条件を合わせた環境を別に設けるというようになります。
最後は実装したシステムを用いて費用対効果や具体性の検証を行ないます。
小規模で実施する場合でも、可能な限り全ての対象者に利用してもらうことが大切です。
一部の人を対象とした検証では偏った結果になってしまうことも十分ありえるため、全ての対象者に利用してもらうことで、より客観性と精度の高い検証結果を取得することが可能になります。
PoCのおおまかな流れがわかったところで、ここからは検証において大切なポイントを2点解説します。
前述したとおり、検証は可能な限り現場に近い環境で行うことが大切です。現場に近い環境で実施する以上に、精度の高い検証結果を得る方法はありません。
机上で出る問題点やアイデアと、実際の環境で行って見えてくるものには、情報に雲泥の差があります。
もちろん、導入予定の現場で実装することが困難な場合には、できるだけ環境の似た別の場所で実装したり、仮想の環境を作り上げて実装したりするとよいでしょう。
PoCで重要なポイントの一つが、可能な限りコンパクトに取り組むことです。これにより、スピーディーかつコストを抑えて検証ができます。
そもそも、システムに投資をすべきかどうかを判断するPoCにおいて、多くの時間やコストがかかってしまえば本末転倒になりかねません。
もちろん、検証すべき内容に合わせて必要最低限の工数やコストは必要です。しかし、ある程度不完全な状態でもその実現性や費用対効果を検証することができるのがPoCのメリットであるため、あまり質にこだわりすぎてPoCを行うこと自体が目的とならないように注意しましょう。
むしろ、目的範囲を絞り、小さな内容を一つずつ積み重ねていくことの方が重要と言えます。
弊社ではIoTの新製品を手助けするPoCパッケージ(サービス名;らくPoC)をご用意しています。「IoTの企画はあるが、PoCは何をすればよいかわからない」とお悩みのご担当者様はお気軽にご相談ください。
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PoCの検証に関するお悩みはご相談ください
新たな製品やシステムのアイデアが浮かんだ際に、PoCで検証をすることによって、それが実現可能なのかが分かります。しかし、一定のノウハウがないと、PoCを円滑に進めることが困難です。
ASTINAでは、システムやIoTデバイスの開発実績が多くあり、PoC用のプロトタイプを試作した実績も豊富にあります。
PoCの時点で、実際に動く製品・システムのご提供が可能ですので、コストや期間の無駄がなく、スムーズかつ有益なPoCが実現可能です。また、その後の量産を踏まえた試作もそのままお任せいただけます。
ASTINAでは、お客様の課題や要望などを綿密にヒアリングしたうえで、製品やシステムについて要望に沿った提案を行っております。
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