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圧力センサはタイヤの空気圧やコンプレッサの圧力、油圧シリンダーの圧力など、さまざまな圧力の測定に使われています。
ここでは圧力センサの主な用途やセンサの種類、圧力測定の方法とその使われ方などについて解説していきます。
圧力センサとは、圧力を測るために使われるセンサの総称です。人間でいうと触覚のように、触れているかいないか、どれくらいの力で触れているかを測定します。
例えば空気や水の圧力を検知して、流れを制御するのに使ったり、人や機械の接触を検知したりするために利用されます。圧力センサの用途はとても広く、センサの形式や形状もさまざまです。
圧力センサには非常に多くの種類があります。ここでは方式や機能、形状などによる分類と用途に合わせた選び方を紹介します。
圧力の表示がデジタルのものとアナログのものがあります。用途により向き不向きがありますが、おおむね、数値を知りたい場合にはデジタルが向いており、変化を知りたい場合にはアナログが向いています。
圧力センサは、固体との接触圧や気体の圧力だけでなく、液体の圧力を測るケースも多くあります。そのため防水か非防水かの分類があります。液体の圧力を測る際はもちろん、水や液体に触れる可能性がある部位で使用する場合には、防水機能をもった圧力センサを使用しましょう。
圧力センサにはさまざまな形状があります。チップの状態で販売されているものや、モジュールやコンポーネントのように、製品として使いやすい状態にパッケージングされて販売されているものもあります。
すでにある機器の外側に取り付け、圧力を測りたい場合にはモジュールやコンポーネントが適しています。一方で圧力センサを利用した新しい製品や装置を作りたい場合には、チップやモジュールを活用すれば自由度の高い設計が可能です。
圧力センサの用途は多岐にわたります。圧力そのものを制御に活かすものや、圧力を利用して他の事象を検知するものなど、さまざまなものがあるのです。いくつかの代表的な使い方を紹介します。
圧力センサの用途の一つが故障の検知です。例えば油圧で作動する機器の油圧を監視する圧力センサを用いれば、油圧が異常値を示したときに知らせる仕組みが作れます。
また空調設備や空気清浄機などにおいて、空気が通るフィルターの前後で空気圧を測れば、フィルターの目詰まりが検知できます。
精密機械や半導体など、高品質の製品を作るために欠かせないクリーンルームでも、圧力センサは活用されています。クリーンルームでは外部に比べて気圧が高くなる陽圧に設定するため、気圧管理に圧力センサが必要です。さらにきれいな空気を届けるエアフィルターの管理にも圧力センサが使われています。
また食品や薬品などの品質を保持するため、真空パックされた状態で出荷される製品もあります。このようなケースで容器内の空気を抜く際には、空気が抜けているかどうか確認するために圧力センサが使われます。
安全対策のためにも圧力センサは非常に重要な役割を果たします。例えば薄い板状の製品を折るために製品を挟む機構を持った機械では、一定圧力を超えたときに安全装置を作動させるために、圧力センサが使われます。
また私たちの生活に身近な自動車のエアバッグでは、自動車に一定以上の圧力がかかると作動するように、圧力センサが使用されています。さらにマッサージ機器でも一定以上の圧力になると自動停止するような安全装置が組み込まれており、ここにも圧力センサが利用されています。
医療分野で使われる圧力センサとしてよく知られているのは血圧計です。腕を締める圧力を測りながら、欠陥の脈動による圧力変化の有無を検知するため、圧力センサが欠かせません。
また人工呼吸器や点滴搬送システムでは、気体や液体を適切な圧力で身体に送り込むために圧力センサが使われます。
近年増加しているウェアラブル機器にも多くの圧力センサが使われています。例えばスマホの気圧センサや、スマホをはじめとした機器の転倒検知機能にも圧力センサが活用されています。
圧力センサにはさまざまな種類がありますが、種類によって測定原理が変わります。代表的な圧力センサの種類と測定原理を紹介します。
抵抗膜方式の圧力センサは、外部からの圧力を受け止めるパーツにひずみゲージが貼られています。圧力により変形するパーツのひずみを電気抵抗の変化として検知し、測定します。用いているひずみゲージの種類により、測定できる圧力の範囲が変わります。
静電容量方式は、歪みによる静電容量の変化を利用した圧力センサです。圧力を受ける部分に使われている板状の素材が、圧力によってたわみ、静電容量が変化するのを利用しています。測定できる圧力の範囲が広いのがメリットです。
ピエゾ素子ともよばれる圧電素子を使った圧力センサです。圧電素子は、加えられた力を電圧に変換する素子です。応答性が非常に高く、高温環境下でも使用できるのが特長です。一方で非常に敏感なため、振動や加速度変化をノイズとして拾ってしまうのがデメリットです。
光ファイバーを用いた圧力センサです。圧力を受けて歪んだ光ファイバから送られてくる光を干渉計で計測して圧力に変換します。小型で電磁波ノイズの影響を受けないのがメリットですが、耐久性が比較的低いのがデメリットです。
圧力センサの用途は圧力を測るだけではありません。圧力を使って何を見るか、どのように測るかによって使い方が変わります。ここではいくつかの測定タイプと使用用途を紹介します。
今、その点にどれだけの圧力がかかっているかを測定する、最もベーシックな圧力測定方法です。気圧計や油圧計など、圧力そのものが知りたい際に使用する方法です。
真空状態のチェックや密閉されたタンクの圧力を測定する際に使用されます。
基準とする圧力との差である相対圧力を測定する方法です。ポイントになるのは、基準値が変化する点です。基準になるのは主に大気圧です。大気圧は天候や海抜によって変化するため、大気圧に対して一定の圧力差を持たせたい場合に用いられます。
相対圧力センサが用いられる代表的な例はクリーンルームの陽圧管理や、タイヤの空気圧、水位測定です。
基準の圧力との差を測り、変化をモニタリングする方法です。相対圧力センサとの差は、基準値が変化しない点です。基準となる圧力には疑似大気圧が用いられるケースが多く、主に負圧の測定の他、高圧の測定に使用されます。
差圧センサ圧力は2箇所の検知部位の圧力の差を表示するセンサです。そのため感圧部は必ず2箇所存在します。2つの場所の微妙な圧力の差を知りたい場合にも使われます。
エアフィルターの目詰まり検知やファンの効率試験、人工呼吸器などに使用されています。
圧力センサは測定する圧力によって使用すべきセンサが変わります。とはいえ使用目的によって、おおまかな圧力が予測されるケースも少なくありません。ここでは、用途とその中でよく測定されるおよその圧力数値を挙げます。
圧力センサは、気体や液体、物体がどれくらいの力でセンサに触れているかを測るものです。圧力の測り方には絶対圧力の他、相対圧力、シールドゲージ圧、差圧などがあり、目的に合わせて使用されます。
圧力センサは故障の検知や品質保持、安全対策、医療分野の他、近年増加するウェアラブル機器などにも利用されています。あらゆる製造現場や作業現場で活用でき、生産性向上に役立てることが可能です。
株式会社ASTINAでは、このようなセンサを活用したデジタルフォーメーション(DX)を得意としています。もし困り事がありましたら、お気軽にご相談ください。