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業務効率化や生産性向上を目指す中で、IoTの活用に取り組む企業が増えています。IoTでは、目的に応じたセンサが必要不可欠です。当記事をご覧のかたの中にも、IoTの導入を検討しているご担当者様もいるでしょう。
そこで今回は、「IoT導入におけるセンサの種類や選び方」について解説します。IoTで用いるセンサについて必要性や各センサの特徴が分からず悩んでいるという方は、参考にしていただけたらと思います。センサに関する知識が深まれば、「こんなことができるのか」と、アイデアの幅が広がると思います。
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センサの中でも、ネットワークに接続して検出した情報を収集・管理できるものをIoTセンサとよびます。IoTはモノをインターネットにつなげることを指しますが、モノの状態を把握するために、ネットワークに接続できるIoTセンサは必要不可欠です。
IoTセンサを用いて、さまざまなモノの状態をリアルタイムに収集することで、その場の状況を確認して行動に移したり、新たなサービスの提供をしたりできます。
例えば、生産工場で設備の稼働状態を常にに監視することで、異常発生時の処置を速やかに行えるようになったり、天気や気温、日射量の情報を元に自動で植物に散水したりできるようになるでしょう。
IoT導入において重要な役割を担うセンサですが、センサの特徴を理解し、目的に応じたセンサの選定をしなければ、狙い通りの効果が得られません。IoTセンサにはどのような種類があり、どのような観点で選定をすればいいかを把握することで、適切なIoTセンサの選定ができるようになるでしょう。
IoTセンサには、さまざまな種類があり、それぞれ検出対象や検出する際の環境が異なります。目的に応じて、適切なセンサを選べるように、どのような種類のセンサがあるのか確認しておきましょう。
加速度センサは、物体の速度変化を検出するセンサで、モーションセンサとよばれることもあります。検出対象に設置することで、加速度の変化から検出対象の動きや振動、検出対象に加わった衝撃の検知が可能です。
エアバッグなどの自動車部品や産業用ロボットは、加速度センサを用いて制御が行われています。
ジャイロセンサはコリオリ力(慣性力)を用いて、検出対象の傾きや角速度を検知するセンサです。当初は船や飛行機、人工衛星などの姿勢制御に用いられていましたが、近年はスマートフォンやゲーム機などにも広く用いられています。
ジャイロセンサを用いることで、スマートフォンやゲーム機を動かすことでさまざまな機能を使用したり、ゲームの操作をしたりできるようになりました。
光センサは光の有無や強さを検出するセンサで、可視光と赤外線や紫外線などの見えない光を検知するセンサに分かれています。
例えば、自動ドアについている人感センサやテレビのリモコンなどには、光センサが活用されています。近年では、農業分野で果実の糖度を測定する際にも用いられており、果実に傷をつけることなく糖度の測定が可能です。
イメージセンサは、主にカメラに用いられており、光を電気信号に変換することで画像を生成します。
スマートフォンのカメラやデジカメはもちろんですが、近年はカメラ機能が人間の目の代わりとなり、自動運転に用いたり、ディープラーニングと組み合わせて工場の自動化を実現したりと、活用の範囲が広がっています。
音センサはマイクロフォンともいい、一般的にはマイクとよばれています。音は、音の高さや大きさ、音質で表現され、音センサではそれらを計測可能です。近年は小型で、雑音に強く、高感度なマイクが開発されています。
マイクは人間の耳の代わりとなり、通常とは異なる作動音を異音として検知したり、ユーザーの声を認識したりとサービスに活用することが可能です。
気温や湿度、日射量、照度などを測定できるセンサを、合わせて環境センサとよびます。有名なものでは、温湿度計などがあります。
温度計は製造業で検出対象のの温度を測定するため、温湿度計はエアコンなどの家電に使われています。また、日射量や照度などは主に農業分野での活用が進められています。
圧力センサは、センサにかかる力を電気信号に変換するセンサです。直接加えられる力以外にも、気圧などを測定することも可能で、測定対象に応じてさまざまな構造が採用されています。
日常生活に近いところでは体重計や洗濯機、血圧計などがあります。また、産業用では油圧計や水圧系などに活用されており、最近では高精度な圧力センサを人間の触覚の代わりに用いたロボットハンドなども開発されています。
距離センサは、光や超音波の反射を用いて距離に換算するセンサです。応答速度が速い光を用いるのか、物体の形状などに影響を受けにくい超音波を用いるのかは、目的に応じて選択されます。
主に製造業分野では工作機械で用いられており、セキュリティの向上にも活用されています。また、近年は自動運転向けにさまざまなタイプの距離センサを組み合わせることで、障害物を高精度で認識し、安全性を確保しています。
ここまで紹介したセンサ以外にも、GPSに代表される位置計測センサや地磁気センサなどがあり、検出対象に合わせたセンサの選定が可能です。
IoTセンサは、導入すればそれだけで効果が出るわけではありません。「センサを導入したけれど、結局費用がかかっただけで効果は出なかった」とならないように、センサを選定する際の観点を押さえておく必要があります。
まずは、IoTセンサを設置する目的を明確することが大切です。例えば、動きを検出するセンサでも、人の動きを検出するセンサとラインを流れる製品の動きを検出するセンサでは、用途が異なります。
「センサで何を検出するのか」という目的を明確にすることで、導入しようとしているセンサが目的に合致しているのかどうかを判断できるでしょう。
センサは電子機器であり、センサごとに使用できる環境に制限があります。特に高温多湿、屋外など電子機器にとって厳しい環境で使用する場合には、注意が必要です。
使用したいセンサの仕様を確認し、センサの使用環境に問題ないかは必ず確認しましょう。
センサを導入する際には、センサ自体の価格や流動性も重要です。仮に理想的な機能を持つセンサだったとしても、発注してから入手できるまでに半年以上かかってしまうなど、IoTサービスの構築や交換の際に間に合わなければ意味がありません。
また、流通量が少ないセンサは価格が高い場合が多く、活用事例も少ないため注意が必要です。トラブルに陥った場合に解決しにくいことがあるので、センサの選定時にはよく検討しましょう。サポート体制が充実しているかも合わせて確認する必要があります。
IoTセンサはまだ普及段階であり、プラットフォームへ接続する際のインターフェースや通信規格は、すべて統一されているわけではありません。
計測したいデータの取得が可能なセンサだったとしても、複数のセンサ間でデータの形式やインターフェース、通信規格が異なると、センサに加えて規格を統一するようなデバイスが必要です。
構成が複雑になり、コストも増加してしまうため、できる限り追加デバイスを使わなくても済む手段を検討するのがおすすめです。
提供されるIoTサービスは、センサで取得されたデータによって結果が大きく左右されます。そのため、センサが正しいデータを計測できているかという信頼性は、センサの選定をする際に考慮すべき重要な要素です。
特に、採用実績が少ない新しいセンサの場合には信頼性をしっかり確認する必要があります。また、信頼性を保つために必要なセンサの校正頻度なども確認しておきましょう。
センサの種類やIoTセンサを選ぶ際の観点を紹介してきましたが、ここからはセンサの利用イメージを持てるように、活用事例を紹介します。工場で活用されるイメージが多いですが、日常生活に関係のある幅広い場所で活用されています。
農業は休みが少なくきついイメージがありますが、IoTの導入により生産者の負荷軽減や農作物の質向上などが実現されています。
自動化を行う際には、農機などの設備が周囲を確認する画像センサや距離センサを利用します。また、農作物の質を向上させるために、日照量や水分量、温度などを検出し、過去データと比較しています。
日本では、少子高齢化の進展、核家族化で高齢者の一人暮らしが増えています。遠隔地に住んでいる両親の状態を心配していても、すぐに確認することができない方が多いでしょう。
IoTセンサである角度センサなどを用いたみまもりバンドを活動すれば、高齢者の方が普段通りに元気に生活しているのかどうかを確認することが可能です。
工場で使用する工具の中でも、数か月以上といった長い期間使い続ける工具の場合には、寿命の予測が困難です。使い方には関係なく一律交換している場合が多いですが、まだ継続使用できる可能性があります。
工具を使用する際の消費電力などを常時検出することで、故障タイミングが予測できる可能性も。故障予測を元に不良品の発生を抑制したり、工具の交換タイミングを最適化したりすることが可能です。
IoTセンサは、ネットワークに接続できるセンサでその種類はさまざまです。IoTセンサを活用することで、農業や工業などの効率向上、負荷軽減に加えて日常生活に安心を与えることも可能です。
センサによって計測できる項目や、データ・通信の形式が異なります。センサを選ぶ際には、計測の目的やセンサを接続するゲートウェイやプラットフォームとの関係を確認する必要があります。狙い通りのサービスが提供できるように、IoTセンサを選定しましょう。
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最適なセンサを選定するためには、装置の設計内容や導入する環境、および量産体制や予算などの状況も鑑みる必要があります。ASTINAでは専門のコンサルタントが、システム設計だけではなく、コストや現場の状況などビジネス的な観点も含めてご提案をいたします。